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TOP > ナノテク


MIT、熱を光のように扱う「サーモクリスタル」技術を提唱

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1 :sin+sinφ ★:2013/01/21(月) 23:06:33.68 ID:???
マサチューセッツ工科大学(MIT)の材料科学・工学研究者 Martin Maldovan 氏が
熱伝導制御に関する新しいアプローチを提唱している。
フォトニック結晶およびフォノニック結晶の技術を拡張することによって、
光をレンズで集束したりミラーで反射させるのと似た方法で熱を操作できるようにするという。
2013年1月9日付けの Physical Review Letters に論文が掲載されている。

熱は、音と同様に、材料中を伝わる振動(原子の格子振動)である。
こうした振動は、仮想粒子であるフォノンの流れとして扱うこともできる。
ナノ構造を有する半導体フォトニック結晶を使って光子を操作するのと似たやり方で、
フォノニック結晶による音響フォノンの操作を行う研究は、近年活発に進んでいる。
今回の研究では、この技術をさらに進め、熱フォノンについても「サーモクリスタル」(熱結晶)を使って操作できることが示されている。

振動としての熱と音の違いは、周波数の違いであると Maldovan 氏は説明する。
音の振動周波数は最大でもキロヘルツのレベルだが、熱の振動周波数はテラヘルツレベルである。
また熱フォノンの周波数の帯域分布は音と比べて広い。
このため、すでに開発されているフォノニック結晶による音響フォノン操作技術を熱の操作に応用する場合、
熱フォノンを狭帯域化してから周波数を下げ、音の周波数領域に近づける必要があるとする。
Maldovan 氏は、熱フォノンと音響フォノンの境界領域まで周波数を下げた熱フォノンのことを「極超音速熱」(hypersonic heat)と呼んでいる。

極超音速熱のレベルでの周波数低減は、ナノ構造化された薄膜材料を使うことで可能になるという。
ナノ構造においては、拡散界面での散乱を通じてフォノンの平均自由工程(粒子が散乱せずに進める距離)が短くなることで、熱伝導率 κ が低減する。
κ の低減とともに、熱フォノンの周波数も低周波側にシフトすると考えられる。
今回の研究では、ナノ構造を有するシリコンにゲルマニウムのナノ粒子を含有させた薄膜について、
その熱フォノンに対する周波数・熱伝導特性をコンピュータによるシミュレーションを用いて評価し、こうした効果が実際に得られることを確認した。

また、高周波フォノンをブロックするためには、不純物や転位、ゲスト原子、非晶質などが利用できるという。
極端な低周波フォノンをブロックするためには、結晶粒界や界面が利用できる。これらによって、熱フォノンの周波数を狭帯域化できると考えられる。

Maldovan 氏は、サーモクリスタルによる熱操作技術が適用できる用途として、
図中の(a)熱導波路、(b)熱格子、(c)熱イメージング、(d)熱オプティクス、(e)熱ダイオード、(f)熱の不可視化(クローキング)などを挙げている。
これらの技術はすべて、フォトニクスおよびフォノニクスでは既に実証されている。

今回の研究はシミュレーションによるものだが、モデルとして扱ったナノ構造体などの技術は広く実験的に使われているものであり、
サーモクリスタルを用いた実デバイスによる熱操作の実現可能性は十分あると考えられる。

イメージ:サーモクリスタルの応用例 (Martin Maldovan, Physical Review Letters (2013) doi: 10.1103/PhysRevLett.110.025902 )

ソース:MIT、熱を光のように扱う「サーモクリスタル」技術を提唱
http://sustainablejapan.net/?p=3516

本文中のリンク:
Physical Review Letters
http://prl.aps.org/abstract/PRL/v110/i2/e025902
How to treat heat like light (MIT media relations)
http://web.mit.edu/press/2013/how-to-treat-heat-like-light.html

4 :名無しのひみつ:2013/01/21(月) 23:20:03.22 ID:7hyOXoh3
赤外線レーザーをイメージしてしまったがそれとも違うな


5 :名無しのひみつ:2013/01/21(月) 23:22:07.93 ID:3UWI7kFe
光をレンズで集束したりミラーで反射させるのと似た方法で熱を操作できるようにするという。
以外の部分は何が書いてあるの?


14 :名無しのひみつ:2013/01/21(月) 23:55:05.47 ID:cDP8CqGt
>>5
音ならばある程度そういう技術があるので、
音と同じように扱いたいけど、周波数が高くて分散してるから無理だった
なので、周波数を集中させた上で周波数下げて音と同じように扱えるようにしました

だと思う


26 :名無しのひみつ:2013/01/22(火) 02:10:06.25 ID:3a4KJqTu
>>14

いやいや、フォトニック結晶およびフォノニック結晶の技術を拡張するアレによって、
光をレンズで集束したりミラーで反射させるのと似た方法で熱を操作できるようにするんだよ。
1月9日付けの PRL に論文が掲載されてるじゃん。

熱ってさぁ、音と同じで、材料中を伝わる振動(原子の格子振動)だし。
こういう振動はね、仮想粒子であるフォノンの流れとして扱うこともできるから。
だからナノ構造を有する半導体フォトニック結晶を使って光子を操作するのと似たやり方で、
フォノニック結晶による音響フォノンの操作を行う研究は、近年元気ハツラツに進んでる。
んで、今回の研究では、この技術をさらに進めて、熱フォノンについても「サーモクリスタル」(熱結晶)を使って操作できることが示されているってわけよ。

振動としての熱と音の違い?
周波数の違いであると Maldovan 氏は説明してるんだけど。ちゃんと読んでる?
音の振動周波数は最大でもキロヘルツのレベルだが、熱の振動周波数はテラヘルツレベルテラヘルツレベル。一応、二回言っといた。
それと熱フォノンの周波数の帯域分布は音と比べて広いし。
つーことで、すでに開発されてるフォノニック結晶による音響フォノン操作技術を熱の操作に応用する場合ね、
熱フォノンを狭帯域化してから周波数を下げて、音の周波数領域に近づける必要があるって考えに至るわけナノ。
それでヴァンちゃんは、熱フォノンと音響フォノンの境界領域まで周波数を下げた熱フォノンのアレを「極超音速熱」(ハイヒー)って呼んでるんだよ。


記録密度ハードディスクの50倍超の新材料 強誘電性カラムナー液晶材料の開発に成功-東大、東工大

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1 :依頼29-2@pureφ ★:2012/04/22(日) 05:12:15.33 ID:???
東大、東工大との共同研究で強誘電性カラムナー液晶材料の開発に成功

カラムナー液晶においてカラム軸に平行な自発分極を持つ強誘電性を確認
―超高密度メモリー素子への挑戦-


<概要>
 東京大学大学院工学系研究科の相田卓三教授、宮島大吾博士課程学生は、東京工業大学大学院
理工学研究科の竹添秀男教授、荒岡史人助教らとの共同研究で、世界で初めて、強誘電性カラムナー
液晶材料の開発に成功いたしました。この物質を利用することで、従来とはまったく異なる方法で簡便に超
高密度メモリー素子を作製できることが期待されます。また、強誘電性材料の開発に今までにないアプローチを
与えるほか、液晶材料の新たな応用可能性を提示するものです。これまでに多くの研究者が試みてきたにも
かかわらず、誰も実現できなかった強誘電性カラムナー液晶(図1)を実現したという意味で、基礎科学的にも
極めて重要な成果です。本研究成果は、4月13日付の米国科学雑誌「Science」電子版に掲載されました。


<研究の背景と経緯>
 液晶が発見されてから120年余が経ちましたが、現在では「液晶」と言えば「液晶ディスプレイ」を指すほど、
液晶の応用は表示素子に特化されています。今では、薄型テレビのうち約9割、パソコン用ディスプレイでは
ほぼ全ての出荷が液晶表示素子によるものです。しかしながら、液晶そのものの応用はディスプレイにとどまり
ません。液晶ならではの、自己組織性、環境による構造制御性などといった特性を利用し、様々な応用が
検討されています。今回の強誘電性カラムナー液晶の発見によってもたらされるもう一つの応用可能性が高
密度メモリー素子です。

 近年の情報社会におけるデータ量の飛躍的増大に伴い、高密度メモリー素子の開発は必要不可欠となって
います。そのような高密度メモリーとして、磁気ディスク、半導体素子、光記録素子、強誘電体素子などが研究・
開発され、実際に我々の身の回りで使われているものも多くあります。今回の我々の報告にあるような自己組織
化の可能な液晶材料は、ほぼ分子サイズという細かい記録(=高記録密度)を与えることが可能となる(図2)
ほか、塗布などによる簡便なデバイス作製プロセス、貴金属元素フリー、軽量化などの多くの利点があると考え
られます。このような目的を達成するために世界中の多くの研究者が努力していましたが、原理的な難しさが
故に半ばあきらめられかけていました。今回の報告はこのような「カラムナー液晶からなる強誘電材料」を実現
したものです。

<研究成果>
 強誘電性カラムナー液晶材料の実現を可能にしたのは、緻密にデザインされた分子設計(図1(a))です。
 この分子は円錐状分子集合体を形成し、積み重なることでコア-シェル構造のカラムを形成します。コア-
シェル構造のコア部ではカラム中心(円錐頂点)に位置するシアノ基が分極を担い、シェル部では嵩高い側鎖
が円柱間の相互作用を制御し液晶性を担います(図1(b))。コアとシェルの中間にはアミド基によって形成
される水素結合ネットワークがあり、これにより中央の分極を安定化させる設計になっています(図1(c))。
安定化が弱いと電場を切った時に分極を保持できず、かといって安定化が強すぎると分極を反転させることが
できなくなってしまいますが、類似化合物を多数合成した結果、絶妙なバランスによりこれが達成できることを
発見しました。また本液晶材料は電場を印加するだけで、メモリー素子として最適な方向に一様に配向する
ことが出来ることが明らかとなっています。そのため本材料は、安価で大面積化に優れた溶液プロセスでの
デバイス作成が可能であることが明らかになりました。

東京大学大学院工学系研究科プレスリリース 2012/04/13
http://www.t.u-tokyo.ac.jp/epage/release/2012/12041302.html
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=307626&lindID=5

Ferroelectric Columnar Liquid Crystal Featuring Confined Polar Groups Within Core–Shell Architecture
Daigo Miyajima, Fumito Araoka, Hideo Takezoe, Jungeun Kim, Kenichi Kato, Masaki Takata, Takuzo Aida
Science 13 April 2012: Vol. 336 no. 6078 pp. 209-213 DOI: 10.1126/science.1217954
http://www.sciencemag.org/content/336/6078/209.abstract

3 :名無しのひみつ:2012/04/22(日) 05:15:45.00 ID:N4ENQybD
苦労しました2ダ


4 :名無しのひみつ:2012/04/22(日) 05:17:31.72 ID:s/na7agR
HDDは上限しらずだな、


放電皮膜技術採用で切っても刃が自己再生する包丁を開発 IHI

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1 :TOY_BOx@みそしるφ ★:2011/06/27(月) 03:34:22.91 ID:???
IHIは航空エンジンのタービン翼に使われている放電皮膜技術を採用した新型包丁
「サコンプラス=写真」を開発した。ステンレス製やセラミックス製以上の切れ味と
耐久性を実現した。価格は刃渡り180ミリメートルの三徳が2万4990円。
7月に穂岐山刃物(高知県香美市)を通じて販売する。

同技術は超硬質粒子を金属組織に融合させる。新型はステンレス製の刃先を処理した。
使用すると粒子が刃先にあらわれてマイクロ(100万分の1)メートル単位の極微細な
ノコギリ状の刃が自己再生するため、切れ味が持続する。

同じ紙を同じ力で切った場合、ステンレス製は30枚、セラミックス製は40枚、
新型は50枚。研ぐ頻度は「家庭での使用であれば1年から1年半は必要ない」
(落合宏行IHI航空宇宙事業本部技監)としている。
ダイヤモンド砥石で1―2回こするだけでよみがえる。三徳のほか、
刃渡り135ミリメートルのペティ、同240ミリメートルの柳刃も用意した。

画像
 
▽記事引用元 : 日刊工業新聞2011.06.24
 http://www.nikkan.co.jp/saisai/110624.html
IHI
 http://www.ihi.co.jp/index.html


3 :名無しのひみつ:2011/06/27(月) 03:42:23.78 ID:aOJsP4cy
いまならもう一組おつけします


4 : 忍法帖【Lv=20,xxxPT】 :2011/06/27(月) 03:44:39.03 ID:myytLwCu
ウチの包丁なら指切り落としてもまた生えてくるしな


1個の板バネだけで複数の論理演算を同時実行する手法を開発、マイクロマシン技術を活用/NTT

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1 :一般人φ ★:2011/02/16(水) 22:46:43 ID:???
 日本電信電話(NTT)は15日、マイクロマシン技術を用いて作製した微細な板バネを振動させ、
複数の論理演算を同時に実行できる新しいデジタル演算の手法を開発したことを発表した。
1個の基本素子だけで論理回路を構成できる可能性を持つ世界初の技術とのこと。

 現在のコンピュータは「トランジスタ」が演算素子として広く使われているが、NTTでは、トランジスタに
比べ100分の1以下の消費電力で演算できる可能性を持っている「ナノマシンコンピュータ」の研究を続けている。
今回NTTの物性科学基礎研究所が開発した手法では、「マイクロマシン技術」
(MEMS:Micro-electromechanical Systems)を用いて作製した、厚さ1.4ミクロンの板バネ素子をたった1個だけ使用。
光ファイバー通信で使われる、異なる波長の波に異なるデジタル情報をのせて伝送する「波長分割多重」
(WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術と同様に、複数のデジタル情報を、
異なる周波数を用いて振動に対して入力する。

 これにより、複数の論理演算を同時に実行することに成功した。
基本論理演算となるAND、OR、XOR、さらにはそれらの複合演算の動作が確認されたという。
トランジスタを用いた演算装置では、基本論理演算を行うトランジスタ同士を配線で繋げ、
複雑な回路を構成するが、今回開発した手法では、新たな周波数振動を次々と作り出すことで、
20個以上のトランジスタを複数連結した複合論理回路と同等の演算機能を、たった1個の板バネ素子で実現できたとのこと。

 今後は、より大規模な任意論理回路への適用可能性や、動作速度、消費電力などについて確認を行い、
実際のコンピュータとしての実用可能性を検証していく。
今回得られた成果は、消費電力の低さや耐環境性の強さが期待されている「ナノマシンコンピュータ」を
実現するために必要な基盤技術の1つとして、英国の電子版科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」に
掲載される予定。

《冨岡晶》

▽図 
周波数変換による論理演算の概念図

実際の動作例


▽記事引用元 RBBTODAY(2011年2月16日(水) 13時15分)
http://www.rbbtoday.com/article/2011/02/16/74386.html

▽日本電信電話株式会社プレスリリース
マイクロマシン技術を用いたデジタル演算の新しい手法を開発
~一個の板バネだけで複数の論理演算を同時に実行
http://www.ntt.co.jp/news2011/1102/110215a.html

▽Nature Communications
「Interconnect-free parallel logic circuits in a single mechanical resonator」
http://www.nature.com/ncomms/journal/v2/n2/full/ncomms1201.html


2 :名無しのひみつ:2011/02/16(水) 22:49:39 ID:b0U2tpsy
わからんw でもがんばれ


3 :名無しのひみつ:2011/02/16(水) 22:51:35 ID:XDXxXkQ5
俺も理屈は分らんが、面白いと思う。頑張れ。


ナノテク、「空想」から現実のビジネスに

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2003年の記事です。

Patrick Di Justo 2003年05月16日
 ニューヨーク発──今週当地で開催された『ナノビジネス』会議における興奮が何らかの指標になるとすれば、後世の歴史家は、2003年上半期をナノテクノロジーの節目、すなわち業界が「まだ準備不足」の段階から「本格始動準備完了」の段階に移った転換点と位置づけるかもしれない。

 昨年の会議から1年足らずの間に、米ゼネラル・エレクトリック社やベル研究所の関連企業などの大手は、ナノテク分野への投資や、ナノテク部門の新設や分離独立の動きを加速させた。ベンチャーキャピタル業界からの投資額全体は1990年代半ばの水準にまで下がっているが、ベンロック・アソシエーツ社、米ポラリス・ベンチャー・パートナーズ社、米クレイナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ(KPCB)社などの大手ベンチャーキャピタルはいずれも、手持ちの資金をナノテクにつぎこんでいる。

 「これは一時的な流行ではない。こうした投資は、ハイテク企業の研究開発に欠かせないものであり、事情に通じた投資家は理解している」と、ナノテク分野に力を入れている米ラックス・キャピタル社の経営パートナー、ジョシュ・ウルフ氏は言う。

 米国政府も積極的にナノテクに乗り出した。今年初め、ブッシュ大統領が提出した2004年度予算案では、『全米ナノテクノロジー計画』への拠出を前年比で約9.5%増の8億4700万ドルに増やしている。先週は下院がナノテク出資法案を可決、今後3年間で23億6000万ドルの研究資金を米航空宇宙局(NASA)、全米科学財団(NSF)、米環境保護局(EPA)、それに米エネルギー省と米商務省に割り当てることを決めた。

 ナノテクノロジーに対する熱狂が高まった1つのきっかけは、ナノテク産業が年商1兆ドル規模に達する可能性があると予測したNSFの報告書(PDFファイル)だ。しかしそれ以上に、今すぐに活用できる小型化技術として、実業界や一般の人々がナノテクノロジーを受け入れはじめたことが大きな理由になっている。

 いま大きく取り上げられているのは、派手でSF的なナノテク技術だが、現実のナノテク製品は、目立たない場所に登場している。

 米SIダイアモンド・テクノロジー社は、1年ほど前からMRI用のディスプレーを作っている。米インフラマット社は、金属にセラミックをナノ単位でコーティングする技術を開発した。英ケンブリッジ・ディスプレー・テクノロジー(CDT)社のLEP(発光ポリマー)ディスプレーは、まもなくロンドンの地下鉄に採用される。米イーストマン・コダック社のデジタルカメラ『イージーシェアLS633』も、ナノ構造のLEPディスプレーを使っている。このLEPディスプレーは、今年のクリスマスまでにはノートパソコンにも搭載されるはずだ。米シムベット社は、RFID(Radio Frequency IDentification:無線方式の非接触自動識別)タグ(日本語版記事)用に薄いフィルム状のバッテリーを製造している。

 ナノビジネス会議では、米国で12番目に大きな法律事務所であるフォーリー&ラードナー法律事務所の知的財産部門パートナーであるスティーブ・ミービアス氏が基調講演を行なった。ナノテク企業を特許申請やライセンス契約の際の落とし穴から救う手助けをしているミービアス氏が、集まった投資家たちに訴えたのは、たとえば、シリコン原子をモレキュラーシーブ(分子レベルの細孔を持つ構造)の形に配列する方法は限られているということだった。

 原子を特定の形に配列する自然の量子力学的な力そのものでは特許は取れないと、ミービアス氏は言う。しかし、「(原子が特定の形に並ぶような)環境を自由に操作できるようになれば、特許を取れるかもしれない」

 だが、現実はそう甘くない。米国の特許申請システムはただでさえ非常に入り組んでおり、ナノテク関連の特許の認可も始まったばかりだ。ここ6年間の申請は約2800件に及ぶが、審査は遅々として進まず、申請から認可までに6年もかかった例もある。

 ナノテク研究者たちは、専門誌などに論文を発表しないよう注意されている。研究成果を横取りされてしまう危険性があるからだ。特許申請の手続きをしている間、研究成果は伏せられているため、それを知らない他の研究者たちが同じ研究を続けて、時間と労力を無駄に費やしてしまうおそれもある。

 誰が何を最初に発見したのかということがわかりにくいという理由で、ベンチャーキャピタルがナノテク企業への投資をためらうこともあり得る。そして、ナノテク企業が所有する知的財産の質と量を評価する場合、つねに質が優先されるわけではない。

 「一部のベンチャーキャピタルは、知的財産を一種の目録として考えているようだ」とミービアス氏。「企業が多くの特許を持っていると、『すごい、これなら有望だ』と早とちりする。これは残念なことだと思う。なぜなら、大企業がすでに包括的な特許を取得している場合があるからだ」

 たとえば、小さな新興企業がカーボン・ナノチューブの新しい製造法で特許を取ったとする。だが、それを使って実際に製品を売り出そうとすると、カーボン・ナノチューブそのものの特許を持つ企業に阻止されかねない。「そうした事態を避ける唯一の方法は、最初に特許をとった企業と交渉して、共同開発やクロスライセンスに持ち込むことだ。そうしないと、重なり合う部分をどうすることもできない」とミービアス氏。

 知的財産にまつわるこうした問題だけでなく、ドットコム・バブル崩壊で受けた痛手の鮮明な記憶から、ベンチャーキャピタルはナノテク新興企業への投資を躊躇している。米ナノマトリックス社を創立したエマニュエル・バロス氏は、昨年は出資者を求めてナノビジネス会議に参加したが、今年は参加しなかった。バロス氏は電子メールでの取材に応え、「われわれは出資者を引きつけるため、さまざまな試みを行なった。しかし、ベンチャーキャピタルは投資利益とリスクについて現実離れした見方をする」と述べている。

 ラックス・キャピタル社のウルフ氏も同意見だ。ナノテクノロジーに投資したいという意欲はあっても、さまざまな理由から、具体的なナノテク企業への出資に消極的なベンチャーキャピタルはあるかもしれないという。「まず、物理学と材料科学に関する知識がなさすぎる。(しかし)何よりも、投資の形をうまく組み立てて実際に出資に結びつけていけないようなら、ベンチャーキャピタルはナノテク分野への投資を実現できないのだ」

 最新のナノテク研究に関する情報が公開されないために、出資に踏み切れない投資家もいるかもしれない。ベンチャーキャピタルの多くは、小さな新興ナノテク企業よりも、大企業の傘下にあるナノテク関連子会社への出資を好む。大企業は他社の研究の動向を把握するリソースを持っているため、無駄な開発努力を避けられるからだ。

 「ベンチャーキャピタルは何でもほしがるくせに、リスクを嫌う」とバロス氏。「わが社は出資者を探すのをやめて、顧客獲得に力を入れることにした。結局のところ、売上もベンチャーキャピタル投資も、資金だということにに変わりはない。違いは、顧客が求めるのは製品であって株式でないことだ。その点で顧客に勝るベンチャーキャピタルは見つからなかった」

 バロス氏によると、ナノマトリックス社は外部からの資金に頼らずに、製品開発と顧客獲得を順調に進めているという。「わが社がいつ黒字転換できるかはわからない。だが、前途は有望であり非常に大きな可能性が開けていることは確信できる」

[日本語版:中沢 滋/鎌田真由子]
WIRED NEWS 原文(English)
引用元 WIRED VISON
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